中古住宅を見ているとときどき増築された物件があります。
床面積が広いので魅力的に映ることもあるでしょう。
しかし、購入候補にするのであれば、前もってチェックしておくべき点や注意点がいくつかあります。
増築している中古住宅を購入して後悔しないためにも、ぜひこの記事をお読みください。
中古住宅の中には増築してある物件もある
そもそも「増築」とは、もとの建物の敷地内に新たな建物を建てたり、平家を2階建てにしたりして、建物の床面積を増やす行為のことを指します。
そのため床面積が広くなり「家族が多いので広い家に住みたい」「なるべく費用を抑えて広い家に住みたい」なと思っている方にとっては、内見すると増築された部分は比較的綺麗なため、購入を決断してしまう方も少なくありません。
ところが増築された住宅はいろいろと問題を含んでいるケースがあります。
中には「不安定な構造」「建ぺい率や容積率をオーバーした違法建築」「採光不良」などの物件もあります。
このようなことがあると、融資がつきづらかったり、購入できてとしてもトラブルに巻き込まれたり、生活を送る上で支障がでることになるでしょう。
増築されている中古住宅が相場より低価格で売りに出されていたり、内覧時に明らかに建物の違和感を感じたりする場合には、気をつけてください。
必ず不動産業者に不安な点について聞くようにしましょう。
増築してある物件の例
増築している中古住宅の例としては「二世帯住宅に増築しているケース」「敷地内に子世帯用の家を増築しているケース」などがあります。
ここでは、2つの例について詳しく解説していきます。
二世帯住宅に増築リノベーション
親世帯と子世帯が一緒に生活するため、二世帯住宅に増築するケースがあります。
そして二世帯住宅には、主に以下の3種類の間取りがあります。
- 完全同居タイプ
- リビング、浴室、トイレなどの生活空間を全て共有
- 親と子世帯が同じ空間で過ごすことができるが、プライバシーが保ちにくい
- 完全分離タイプ
- 外から見ると同じ建物であるが、内装は完全に仕切られている
- キッチンやユニットバスなどの設備が全て別々
- 部分共有タイプ
- 生活空間は別々で、浴室や洗面所などを共有
- プライバシーを守りつつ、家族とのコミュニケーションが取りやすい
一般的に増築されている二世帯住宅の購入は、上記のような家族の生活スタイルに合わせて決められることが多いです。
敷地内に子世帯用の家を増築しているケースもある
同じ敷地内に子世帯用の家を増築しているケースもあります。
この場合、親世帯と子世帯がそれぞれ別々の家に住むことになり、プライバシーが保ちやすくなるでしょう。
そして同じ敷地内ということもあり物理的に距離が近く、家事や育児など困ったときには、お互いに頼り合うこともできます。
このようにプライバシーと家族とのコミュニケーションのバランスが取れやすいのが、敷地内に子世帯用の家を増築してある住宅の特徴です。
「親世帯と子世帯が完全に別居で、かつ物理的に距離が近いこと」を望んでいるのであれば、敷地内に子世帯用の家を増築しているものも選択肢の一つとなるでしょう。
増築している中古住宅を購入する際のチェックポイント
増築している中古住宅を購入する際にチェックするべきポイントは以下の4つです。
- 違法建築でないかを確認
- 増築部分が未登記ではないか確認
- 増築部分の安全性を確認
- 増築部分の施工不具合がないか確認
上記の4つをチェックしておかないと住宅購入後、法的なトラブルに巻き込まれたり、不安を抱えたまま生活をしなければならなかったりする場合があります。
そこで、ここでは増築している中古住宅のチェックするべきポイント4つについて詳しく説明していきます。
違法建築でないかを確認
増築している中古住宅を購入する際には、違法建築でないかをしっかり確認しましょう。
増築部分に違法建築がある場合もあります。
住宅を購入後、違法建築の部分が見つかると修繕や建て替えを行わなければならないケースもあるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
増築部分が未登記ではないか確認
増築している中古住宅を購入する際には、必ず最初に「増築部分が未登記になっていないか」を確認するようにしましょう。
なぜなら「未登記」であると、法的な手続きの際に不都合が起きてしまい「融資(住宅ローン)が受けられない」という事態になる可能性があるからです。
そもそも「登記」とは、土地・建物の所在や所有者を明確にして、登記官が専門的な知見をもとにこれらの情報を記録することをいいます。
つまり「未登記」とは、「登記」がされておらず、登記記録上の土地・建物の所在や所有者が不明な状態のことを指します。
基本的に増築した場合でも、建物の面積を変更する登記が必要です。
「登記」の有無は、不動産業者や売主・貸主に聞けば分かるので、必ずチェックするようにしましょう。
増築部分の安全性を確認
次は「増築部分の安全性」を確認しておきましょう。
建物の構造のことを考慮した設計をせずに増築されていることもあるからです。
基本的に増築する際には、工事業者や建築士に「建物確認申請(建築物が法や条例などに違反していないかを確認してもらう手続き)」を依頼します。
建物確認申請が通ると「確認済証」が渡されて、増築工事が始まります。
そして工事が完了次第、「完了検査(確認申請の内容に沿った工事がされているかチェックする手続き)」が行われ、無事に増築工事は終了です。
これらの一連の流れを行うことにより、住宅の安全性が担保されている訳です。
ところが、これらの一連の流れを行わずに増築している住宅もあり、増築部分の安全性が確認されていません。
「建物確認申請などをしているか、していないか」は不動産会社に聞くようにしましょう。
増築部分の施工不具合がないか確認
最後に「増築部分の施工不具合がないか」を確認するようにしましょう。
「増築部分だけ壁や床が傾いている」「天井から雨漏りするようになった」などの被害を受けている方々もいます。
住宅購入後にちょっとした施工の不具合で後悔しないためにも、あらかじめ不動産業者などに確認しましょう。
また、増築部分がある場合には、ホームインスペクション(住宅診断)を行っておくのも一つの手段です。
増築部分が未登記の場合はどうする?
増築部分が未登記であると、購入後、「法的なトラブルに巻き込まれる」「融資が受けられない」ケースがあります。
そこで、ここでは増築部分が未登記である物件の問題点と確認しておくべきポイントについて詳しく解説していきます。
増築未登記物件の問題点
増築未登記物件の問題点としては、金融機関から融資(住宅ローン)を受けられない他に、法律違反の状態であるため10万円以下の過料が課される恐れがあります。
未登記物件である場合、所有権や抵当権が不明瞭で担保の設定ができません。
結果として、融資を受ける対象として外れてしまいます。
また、増築未登記の物件は、増築により建蔽率や容積率を超えてしまっている場合も考えられます。
増築により建蔽率や容積率を超過している場合は「違法建築物」となります。
さらに、不動産登記法では、「新築住宅や新しく建物の所有権を取得した場合には、取得の日から一ヶ月以内登記を申請しなければならない」と定められています。
一ヶ月過ぎても登記の申請が行われない場合は、10万円以下の過料が課される恐れがあります。
増築未登記物件は購入前に登記費用の負担を確認
増築未登記物件を購入する際には、登記費用を売主、もしくは買主のどちらが負担するのか確認しておきましょう。
基本的に不動産売買がスムーズに進みやすいように、売主側が登記をしているケースが多いです。
増築した物件の登記が売買のタイミングに間に合わない場合、契約書に「建物の表題変更登記を売主が行う」と書かれていることもあります。
また、登記されていないが購入したい物件の場合や、登記費用の件で売主との関係性を良好に保ちたい場合には、買主が登記を行うのも一つの手段です。
登記を行うだけでも費用、時間、労力がかかるので、必ず購入前にはどちらが負担するのか確認しておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では増築している中古住宅の購入する前にチェックするべき点と注意点を紹介しました。
「増築部分が未登記の中古住宅」は権利上のトラブルに巻き込まれたり、金融機関から融資を受け取れなかったりする場合があるので注意しましょう。
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