「35年の住宅ローンを組むつもりだけど支払っていけるだろうか」
マイホーム購入という人生で何度もない大きな買い物に際して、ナーバスになってしまう方は多いことでしょう。
そんな不安を少しでも軽くするために、ここでは「補助金」について解説したいと思います。
実は、条件を満たす住宅を購入することによって国や自治体からさまざまな補助金を受けることが可能です。
新築だけでなく、中古住宅を買う場合でも利用できる補助金制度は数多くあるため、物件探しをおこなう前もしくは契約前に、どのような制度があるのかをリサーチしておきましょう。
この記事では、中古住宅の購入時に利用できる補助金の特徴や注意点などについて解説していきます。
これからマイホーム購入の予算計画を立てたいと考えている方、少しでもコストを抑えたい方はぜひ参考にしてみてください。
中古住宅購入の際に利用できる補助金
はじめに、中古住宅の購入時に利用できるおもな補助金について見ていきましょう。
補助金制度を利用すればマイホームの購入にかかる負担を軽減できるだけではなく、条件に合った住宅に住むことによって長期的なメリットを受けられる可能性もあります。
中古住宅を購入する場合、おもに以下のような補助金制度を利用することが可能です。
- 地域型住宅グリーン化事業
- すまい給付金
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- グリーン住宅ポイント制度
- ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金
それぞれの特徴や利用条件、注意点などについて具体的に解説します。
地域型住宅グリーン化事業
「地域型住宅グリーン化事業」とは、物件が建っている地域の工務店に一定の条件をクリアした住宅を建築してもらうことによって補助金を受けられる制度です。
この補助金の目的は、大手ではない地方の工務店の経営を安定させること、木造住宅市場を活発化させること、環境に優しい省エネな住宅を増やすことなどがあります。
新築住宅、中古住宅ともに利用できますが、必要な要件や給付される金額などに違いがあります。
中古住宅で利用する場合、最大で50万円の補助金を受けることが可能です。
中古住宅で地域型住宅グリーン化事業を利用するためには、おもに以下の条件に当てはまる必要があります。
- 国土交通省から選ばれた中小工務店、建築士事務所、原木共有者、流通事業者、プレカット事業者、製材事業者のグループを利用してリフォームをおこなうこと
- 柱や梁、土台などの構造部が木造であること
- 国土交通省から事業者グループが選ばれた旨の通知を受けた日以降に着工すること
【注意点】
補助金は業者に直接支払われてリフォーム代金から差し引かれるため、住宅の持ち主には給付されない点に注意しましょう。
すまい給付金
「すまい給付金」とは、消費税が8%から10%に引き上げられたことによる負担を軽減するために作られた補助金制度です。
新築住宅もしくは中古住宅を購入した幅広い世帯が対象になるため、不動産を買ったらすぐにチェックしておきたい補助金制度のひとつです。
支援される金額は最大50万円で、住宅を購入する人の年収などによって金額が異なります。
中古住宅ですまい給付金をもらうためには、おもに以下の条件に当てはまる必要があります。
- 住宅ローンを利用する場合は年収が775万円以下であること
- 住宅ローンを利用しない場合は年収が650万円以下かつ年齢が50歳以上であること
- 契約者がその住宅に住むこと
- 床面積が50㎡以上の物件であること
(2020年12月1日~2021年11月30日までに契約が済んでいる場合は40㎡以上でOK) - 個人ではなく不動産会社が売主となって購入した住宅であること
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入している、もしくは既存住宅性能表示制度を利用している品質が担保された住宅であること
- 金融機関からの住宅ローン借り入れ期間が5年以上であること
【注意点】
新築住宅と中古住宅では補助金を受けるための要件が異なるため、情報を誤って認識しないように注意が必要です。
また、すまい給付金はその年ごとに実施期間が定められています。
たとえば2021年(令和3年)の場合、2021年12月31日までに引渡しがおこなわれ、かつ入居がスタートしていなければなりません。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは、中古住宅を一定の水準を満たす状態へリフォームすることによってもらえる補助金制度のことです。
この補助金の目的は、住宅の性能や質を上げることによって長期的に住める中古住宅を増やすこと、環境に優しい中古住宅を増やすことなどが挙げられます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象になると最大で300万円の給付を受けられ、工事の内容によって金額は異なります。
中古住宅を購入後にリフォームを考えている方は、どのような工事が対象になるのかをリサーチしておきましょう。
中古住宅で長期優良住宅化リフォーム推進事業を利用するには、おもに以下の条件に当てはまる必要があります。
- 工事前に専門の技術者より住宅の調査を受け、維持保全計画書を作成すること
- 3種類いずれかの工事タイプに当てはまるリフォームをおこなうこと
(①評価基準型、②認定長期優良住宅型、③高度省エネルギー型) - 工事後に一定のクオリティにリフォームされていること
(必須項目と任意項目あり)
【注意点】
年ごとに募集期間や対象の工事内容などが変わります。
利用する際は国土交通省から発信されている最新情報をチェックするようにしましょう。
グリーン住宅ポイント制度
「グリーン住宅ポイント制度」は、一定の要件を満たす住宅を購入もしくはリフォームすることによってショッピングや追加工事に利用できるポイントが付与されます。
中古住宅を購入する場合は最大で45万ポイント、リフォームする場合は最大で60万ポイントが付与され、1ポイント1円で利用可能です。
まずは中古住宅を購入する場合のおもな要件について見ていきましょう。
- 2019年12月14日より前に建てられた物件を2021年10月31日までに購入(契約)していること
- 以下のいずれかに該当すること
・東京圏から移住するために購入した物件
・空き家バンクに登録された物件
・前の家が耐震診断で危険と判断され除去されたため新しく購入した物件のいずれかであること
・災害リスクを減らすための移住用に購入した物件 - 入居したあとの申請であること
- 税込み100万円以上の物件であること
- 購入した人が住んでいること
つぎにリフォームする場合のおもな要件について見ていきましょう。
- 2020年12月15日~2021年10月31日までに工事の契約を済ませていること
- 対象となる工事を受けること
(エコ住宅設備の設置、床・屋根・天井・外壁を断熱用に変更、ドアや窓などの開口部を断熱仕様に変更など)
【注意点】
リフォームをする場合、1戸に対しておこなう戸別申請と複数の住戸に対する一括申請に分かれます。
それぞれポイントの付与数などが細かく異なるため、事前にチェックしておきましょう。
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金
「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金」とは、中古住宅をZEH仕様にリフォームすることによって最大で60万円が給付される制度のことです。
ZEHとは、消費エネルギーを抑えたりエネルギーを作り出したりすることに対応した住宅仕様を指します。
ZEH住宅は環境に優しいだけではなく、住んでいる側も光熱費を抑えられるなど長期的なメリットを得られる制度です。
ZEHの他にNearly ZEH、ZEH Oriented、ZEH +、Nearly ZEH +などさまざまな種類があり、住んでいるエリアや工事内容によってどの種類に当てはまるかが変わります。
基本的には所有している中古住宅を対象のZEH仕様にリフォームすること、募集期間内に申請を完了させることによって応募できます。
省エネなどに配慮した住宅へリフォームする場合は工事費用が高額になりやすいため、少しでもコストを抑える方法のひとつとして知っておきましょう。
【注意点】
その年によって募集期間が定められ、先着順で給付される人が決まります。
対象の工事をおこなっても必ず給付を受けられるとは限らない点、その年によって細かい内容が異なる点に注意しましょう。
中古住宅購入の場合自治体からも補助金を受けることができる
中古住宅を購入もしくはリフォームをする場合、国からだけではなく、実は自治体からの補助金制度も利用できます。
ここまで紹介してきた5つの補助金制度はいずれも国から給付されるため、要件に当てはまれば誰でも利用することが可能です。
地域によっては自治体の補助金制度を活用できますので
国からの補助金とあわせることによって、コスト面でのメリットをさらに得ることができます。
たとえば福岡県北九州市の場合は「空き家リノベ補助」と呼ばれる制度を設け、条件に当てはまる中古住宅の改修工事に最大40万円の補助金を支援しています。
また福井県内の一部地域では「住み続ける福井支援事業」と呼ばれる制度を設け、中古住宅を買う際の費用やリフォームにかかる費用を最大60万円まで支援しています。
このように、空き家問題を解消したい、人口を増やしたい、緑化運動を促進したいなど、地域それぞれが抱えている問題の解消を目的に、さまざなな補助金制度が用意されています。
これらの制度はあくまでもこちらが申告する制度です。購入したい地域が決まったら、どのような補助金制度が用意されているのかを早めにリサーチしておきましょう。
マイホーム購入にかかる費用をなるべく節約したい方は、ぜひこのような自治体からの補助金を検討してみてください。
中古住宅購入時に受けられる減税制度
最後に、中古住宅の購入時に利用できるおもな減税制度について見ていきましょう。
中古住宅は物件自体の購入費用以外に手数料などさまざまな費用がかかるため、すべてあわせると大きな金額になってしまいます。
少しでもコストを削減させる対策として、「節税」についても知っておきましょう。
中古住宅を購入する場合、おもに以下のような減税制度を利用することが可能です。
- 住宅ローン減税
- 贈与税非課税枠
それぞれの特徴や利用条件などについて具体的に解説します。
住宅ローン減税
「住宅ローン減税」とは、年末に残っている借り入れ残高の1%分を所得税などから差し引く制度です。
控除期間は基本的に10年間ですが、特例期間に購入もしくはリフォームした中古住宅の場合は13年間も減税を受けられます。
住宅の種類やローンの借り入れ額などによって控除額は異なり、一般住宅であれば最大480万円、認定住宅であれば最大600万円まで控除を受けることが可能です。
住宅ローン減税を受けるには、おもに以下の要件を満たす必要があります。
- 住宅を引き渡す日から6ヵ月以内に契約者本人が住み始めること
- 40㎡以上の床面積のうち1/2は居住用であること
- 10年以上の住宅ローンを組んでいること
- 合計所得が3,000万円以下であること
- リフォームの場合は工事費用が100万円以上であること
住宅ローン減税を受けたい場合は、要件に当てはまる物件・工事かどうかを事前に見極めましょう。
贈与税非課税枠
マイホームを取得するために両親などから資金援助を受ける方にとって、贈与税がかかる不安はつきものでしょう。
「贈与税非課税枠」とは、両親などから住宅購入の資金を出してもらった場合に税金がかからない枠を設定した制度です。
非課税枠を設けることによって住宅を購入する人、リフォームで長く住む人を増やす目的があります。
中古住宅の場合、最大1,500万円までの資金援助であれば非課税枠に当てはまります。
贈与税非課税枠を利用するには、おもに以下の要件を満たすことが必要です。
- 資金援助を受けた翌年3月15日までに全額を購入・リフォーム代金に使用し、住み始めること
- 床面積が40~49㎡の場合、資金援助を受ける年の合計所得が1,000万円以下であること
- 床面積が50㎡~240㎡の場合、資金援助を受ける年の合計所得が2,000万円以下であること
- 木造住宅は築20年以内、耐火建築物は築25年以内であること
- 耐震基準の安全性について専門家の証明を受けていること
まとめ
この記事では、中古住宅の購入で利用できる補助金制度について解説しました。
マイホームを購入したりリフォームしたりする際の不安要素のひとつとして、コスト面の問題があります。
国や地方自治体から出されている補助金制度や減税制度をうまく活用すれば、コスト削減を実現できます。
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