「安く手に入る」「住みたいエリアで暮らせる」など購入のメリットが大きい中古住宅です。
しかし、「購入後の欠陥発覚」に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では「中古住宅の欠陥に対する対応策」や「欠陥の中古住宅を購入しないためのポイント」について解説していきます。
本記事を読んで知識を身につけ、リスクを最小限に押さえましょう。
欠陥の中古住宅とは?
そもそも、「欠陥の中古住宅」とは、どのような状態を指すのでしょう。
欠陥の中古住宅とは、「本来、建物として有しているべき品質や性能が欠け、安全性に問題がある住宅」のことを指します。
基礎・土台・柱・梁・壁・床など、住宅の骨組み部分に問題があれば、「欠陥がある」と言えます。
住宅の骨組み部分の問題とは、例えば以下のような事例を指します。
- ひび割れ
基礎や外壁に幅0.5mm以上・長さ1m以上のひび割れを起こしている
- 雨漏りや水漏れ
屋根、天井、窓、壁などから雨漏りを起こしている
キッチン、洗面所、床下等で水漏れを起こしている
- 天井裏の強度不足
屋根が本来あるべき位置よりずれている
屋根が乗っているだけの状態になっている
- 建物の傾斜
床が水平でない
柱にゆがみがある
ドアや窓の開閉がスムーズにできない
- シロアリ
床下や、柱を中心にシロアリの被害が出ている
- 耐震基準を下回る
国が定める耐震基準を満たしていない
- 断熱材の不足
断熱材の数が少なく、すき間が生じている
断熱材がまったく入っていない
これらの欠陥がある住宅は、住み続けることが難しく、万一住み続けたとしても、身体に異常をきたします。
そのため、莫大な費用がかかったとしても、修繕を行う必要があります。
中古住宅の欠陥と契約不適合責任の関係性
中古住宅購入後に欠陥が見つかり、修繕が必要になった場合、売主や不動産会社に責任を問うことができるのでしょうか。
結論としては責任を問うことが可能です。
民法第562条で定められている「契約不適合責任」により、不動産取り引き成立後、契約時に知らされていなかった欠陥が発覚した場合、引渡し日から1年以内に通知すれば、補修費用の請求ができるのです。
ただし、「不動産会社が売主の場合」と「個人が売主の場合」で、責任のとり方に違いがあるので確認しておきましょう。
不動産会社が売主の場合
不動産会社が売主の場合、民法で定められているとおり、引渡し日から1年間の責任追及ができます。
また、宅地建物取引業法第40条により、「買主が売主に通知する期間を、引渡し日から2年以上にする特約を除き、買主に不利となる特約を設けてはならない」ともされています。
したがって、契約書に以下のような文言が書かれていたとしても、1年あるいは2年間は無効にできることを頭に入れておきましょう。
- 弊社は契約不適合責任を一切負いません
- 弊社は雨漏りに限り、契約不適合責任を負います
- 弊社の契約不適合責任に基づく損害賠償額の上限は〇〇円とします
個人が売主の場合
個人が売主の場合も、民法で定められているとおり、引渡し日から1年以内は、責任の追及ができます。
ただし、個人が売主の場合、「特約の設定もできる」ので要注意です。
個人の売主は不動産会社と違い、責任を問われるかもしれないという不安を常に抱えていなければなりません。
それでは生活の負担になるだろうという考え方から、民法の決まりではあくまで任意規定とされています。
したがって、契約不適合責任を負うのは、「2~3か月のうちに買主から通知を受けた場合のみ」としている契約がほとんどです。
人によっては、1か月、1週間、まったく責任を負わないという特約を要求することもありますから、買主は細心の注意を払って契約内容を確認しましょう。
中古住宅の欠陥と住宅瑕疵保険
契約不適合責任は、あくまで任意規定のため、補修費用の請求ができずに終わってしまうケースも実際にはあります。
そこで以下では、責任追及後の更なるトラブルに対応する方法を説明していきます。
住宅瑕疵保険とは?
売主が補修費用を払えない場合、この問題を解決してくれるのが「住宅瑕疵(かし)保険」です。
住宅瑕疵保険とは、「住宅の欠陥に対する保険」です。
この保険に加入するためには、不動産取引き前に、検査機関に住宅の検査をしてもらう必要があります。
売主である不動産会社または個人が、売ろうとしている住宅の検査を依頼し、一定の性能基準を満たしていることが確認されたら、検査機関が住宅瑕疵保険に加入するという流れになっています。
検査から保険加入まではやや時間がかかってしまいますが、「住宅瑕疵保険に入っている住宅=一定の性能基準を満たしている住宅」と判断する材料にもなるほか、取引き成立後の欠陥に対する保証もつくので、売主にも買主にもメリットの大きい保険と言えます。
買主は売主に補修費用などを請求できる
中古住宅の引渡し後に欠陥が発覚した場合、売主が住宅瑕疵保険に加入していれば、買主は補修費用などの請求ができます。
また、実際保険に加入しているのは、売主ではなく住宅の検査を行ってくれた検査機関ですので、売主を介さずとも補修費用の請求ができます。
さらに、住宅瑕疵保険は国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」しか取り扱えない保険です。
万が一、検査機関が倒産したとしても保険期間内であれば、買主が保険法人に直接保険金を請求できる仕組みになっているので、泣き寝入りする心配もありません。
購入の際に住宅瑕疵保険への加入の有無を確認しておくことが重要
売主が不動産会社の場合、事前に住宅瑕疵保険に加入しているか確認しましょう。
売主が個人の場合は、住宅瑕疵保険制度を知らない可能性もあります。
保険に加入することで得られるお互いのメリットと、加入しないことへのリスクを提示し、なるべく加入してもらえるようにしましょう。
買主が検査機関へ検査と保証を依頼することも可能
不動産会社が住宅瑕疵保険に入っていない、あるいは個人の売主が保険に入りたがらない、ということも稀に考えられます。
そのような場合は買主が検査機関へ、検査と保証を依頼することも可能です。
その分の費用はかかってしまいますが、建物の修繕にかかる費用に比べれば、保険に加入するメリットは大いにあると言えるでしょう。
欠陥のある中古住宅を購入しないためには?
ここまでは、中古住宅購入後の欠陥に対する対応策についてお伝えしてきました。
ここからは、欠陥のある中古住宅を購入しないためにできることを3つご紹介していきます。
見られる箇所はすべてチェックする
中古住宅の見学に行く際は、見られる箇所はすべてチェックしましょう。
見学に行くときは、「この家に住むかもしれない」という自覚をもち、主体的に見学するようにしてください。
見ておきたい箇所は以下のとおりです。
- 間取り
- 部屋の向き
- 風通し
- 内装
- 水回り
- 収納スペース
- ガスと排水の種類
- 外壁と基礎
- 床や柱の歪み
これらの箇所を、「重大な欠陥につながらないか」に注意しながら見てください。
少しでも気になる箇所は質問したり、許可を撮って撮影したりして購入前に解決するようにしておきましょう。
ホームインスペクション(住宅診断)を利用する
中古住宅を見学するだけでは、住宅内部の診断まで行うことができません。
そんなときにぜひ利用したいのが、「ホームインスペクション(住宅診断)」です。
「ホームインスペクション」とは、住宅の専門家(建物状況調査士/インスペクター)による住宅診断のことで、建物内外の劣化状況や欠陥の有無を、第三者の立場から教えてくれます。
診断には、売主の許可が必要であり、検査費用がかかるというデメリットもありますが、売主も買主も建物の状況を理解したうえで取引きができるため、利用するととても安心です。
ただし、依頼する業者によって診断内容が違うので、目的や不安に合わせて業者を選ぶようにしてください。
不動産仲介業者の選定も重要
中古住宅選びと同じくらい大切なのが、不動産仲介業者の選定です。
不動産仲介業者が売主、あるいは買主どちらか一方のことを優先している、またはどちらも大切にできないような業者なら、トラブルのもとになりかねません。
以下の基準も参考に、複数の不動産会社を訪れ、自分に合った業者を選定してください。
- ヒアリングをていねいに行ってくれる
- 急かさない
- 物件の短所やできないことをはっきり言ってくれる
- レスポンスが早い
- プロとしての知識がある
- 理解度に合わせた説明をしてくれる
本記事でご紹介した「契約不適合責任」や「住宅瑕疵保険」について、きちんと説明できるかどうかも、判断材料のひとつにしてみるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、
- 欠陥の中古住宅とは?
- 中古住宅の欠陥と契約不適合責任の関係性
- 中古住宅の欠陥と住宅瑕疵保険
- 欠陥のある中古住宅を購入しないためには?
を解説しました。
中古住宅には、傷みや欠陥がつきものです。
だからこそ、「契約不適合責任」や「住宅瑕疵保険」といった制度をきちんと理解しておくことで、後々のリスクを軽減できます。
難しい言葉が多く、面倒に感じてしまうかもしれませんが、この記事を熟読したり、不動産会社に問い合わせたりして、正しい知識を身につけましょう。
また、東京都練馬区とその周辺の不動産購入を安心して行いたい方は、江古田プランニング株式会社にお問い合わせください。
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